人間はどこまでいっても社会的な動物である。それは独立しても全く変わらない。むしろ、独立すると会社員のように軌道修正してくれる人はいなくなってしまうので、かなり意識して自分で好ましい振る舞いが出来ているかを気をつけるべきだ。

ところが、社会生活を送る上で難しい人格が世の中にはある。たとえば負の感情で相手を従わせようとするものや、依存体質、ネガティブ思考で愚痴不満が多すぎる、そして相手から奪うことしか考えないテイカー気質といったものがあげられる。

人格は一度形成されるとなかなか後から変えることが出来なくなってしまうので、こうした社会性の欠如した思考・行動で成功体験を得ることでその後の振る舞いも反社会的な人格が深く根付いてしまう。

一度こうなるとよほど強い意志力、メタ認知力、論理的思考力があるか、もしくは真摯に助言してくれる友がいなければ後から軌道修正は難しい。年を取ると注意してくれる人もいなくなるので、理想的には人生の早い段階でこうした行動にダメ出しを受けることで「こういう生き方は回り回って自分が損をするのだ」という理解をするのがよいだろう。

友達

中高年以降は誰しも痛感するのが「友達の獲得は若い頃の特権」という事実だ。

ありがたいことに仕事を通じて、強い信頼関係のある取引先、顧客を自分は持っている。子供のクラスメイトのパパ友、パパ友にあたる人も何人かいる。だが彼らは「友達」とは明確に違う。真の友達とは完全に利害関係のない相手なのだ。

一緒に食事をしてバカ話をしたり、旅行へ行って騒いだりといった相手は40を過ぎるといよいよいなくなる。長く連絡をしないと名前を忘れてしまう。相手はこちらを覚えていても自分は覚えていない、ということもある。

友達は非常に脆いつながりであり、一度切れてしまうともう二度とつながることはない。かといって今から作ることはもはや不可能、大人になるとどうやっても利害が生まれて友達ではなくなる。