水深8000メートル級の深海からエイリアンが、いや、新種の捕食生物が発見されました。

米ウッズホール海洋研究所(WHOI)によると、この新種生物は南米チリ沖のアタカマ海溝で見つかったとのこと。

彼らが棲息する場所は、海の中でも最も深い領域を示す「ヘイダル・ゾーン」です。

甲殻類の一種であり、小さな獲物を狩って生きていると見られます。

しかしパッと見は完全にエイリアンですね。

一体どんな生物なのでしょうか?

研究の詳細は2024年11月27日付で科学雑誌『Systematics and Biodiversity』に掲載されています。

目次

  • 水深8000m級の暗闇に潜む「新種生物」を発見
  • ヘイダル・ゾーンでは「ハンター」が珍しい

水深8000m級の暗闇に潜む「新種生物」を発見

今回の新種生物が見つかったアタカマ海溝は、南米の西側ペルーとチリの沖合い約160キロの地点にある海溝で、ペルー・チリ海溝とも呼ばれます。

全長は約5900キロメートル、平均幅は約64キロに達し、最も深い場所は8065メートルに達します。

世界一高い山のエベレストが標高8848メートルですから、エベレストをひっくり返した深さとほぼ同等と言えるでしょう。

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新種生物が見つかった場所(赤丸)、右のメーターは色ごとの水深を示す/ Credit: Johanna N. J. Weston et al., Systematics and Biodiversity(2024)

研究チームは2023年にアタカマ海溝の生態調査の一環として、餌付きトラップを深海底に沈め、何らかの生物が採取できるかどうかを調べました。

すると水深7902メートルという驚異的な深さから4匹の生物が捕獲されたのです。

体長は4〜5センチほどですが、その生っ白く、ぬめりとした見た目は映画『エイリアン』シリーズでお馴染みの顔に張り付くフェイスハガーによく似ていました。

実際の画像がこちら。

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フェイスハガーに似ている新種生物(ちなみに左が頭で、右が尾部です)/Credit: Johanna N. J. Weston et al., Systematics and Biodiversity(2024)