フォルクスワーゲン ジャパンは2024年11月25日、2024年9月から予約注文を受付している9世代目となるD/Eセグメントのステーションワゴン、新型「パサート」の販売開始した。なお、今回のモデルからセダンは廃止され、ステーションワゴン・モデルだけに絞られている。
9世代目となる新型パサートは主要マーケットであるヨーロッパ市場のトレンドに合わせ、ワゴンボディ専用モデルとなり、従来のMQBアーキテクチャーの進化版であるMQB evoプラットフォームを採用している。これにより、最新電子プラットフォームなどの先端技術が採用され、先進的なインフォテイメントや、運転支援システムを搭載。
ボディサイズは、従来よりボディを拡大し全長4915m、全幅1850m、全高1500m、ホイールベース2840mで、Eセグメントに相当するサイズになった。
特に50mm延長したホイールベースにより、リヤシートの居住性が大幅に向上し、多人数乗車でも快適に過ごせるゆとりあるボディサイズだ。
また、ラゲッジ容量は690L、さらにリヤシートを畳んだ時の最大ラゲッジ容量は1920Lで、日本市場のステーションワゴンとして最大級の容量を誇る。
シャシー
シャシーでは、従来のアダプティブシャシーコントロール「DCC」が「DCC Pro」へと大幅な機構的進化を遂げ、新次元の快適性を実現している。DCC ProはeHybridに標準装備される。
ダンパーの内部構造は伸び側/縮み側が独立したオイル回路となり、それぞれ減衰力をコントロールすることができ、フラットなボディの姿勢制御、より優れた乗り心地を実現している。
そのため、本来相反するダイナミックな走行と快適な乗り心地を、これまでにない高いレベルで両立し、スポーツモードではフォルクスワーゲンらしい軽快なハンドリングを、そしてコンフォートモードでは快適なフラットライドを実現している。
さらに、DCC Proは電子制御デファレンシャルロック(XDS)を協調制御するビークル・ダイナミック・マネージャーと組み合わされ、走行状況に応じて4輪独立でトルクベクタリングを可変制御することで、正確なステアリングレスポンスは、さらなる高次元にグレードアップされている。
パワートレイン
パワートレインは、48Vシステム1.5LのeTSIマイルドハイブリッドシステム(FWD)と、2.0L TDIクリーンディーゼルにフルタイム4WDシステム4MOTIONを組み合わせたモデル、そして、大幅にEV航続距離を伸長させたPHEVのeHybridをラインナップしている。
48Vマイルドハイブリッドとなった1.5L 直列4気筒ガソリンターボエンジンは、高効率なミラーサイクルを採用し、さらにガソリン用可変ジオメトリターボを組み合わせるなど、省燃費とトルクレスポンスを両立させた最新スペックのユニットだ。また、気筒休止とコースティング時のアイドルストップ時間を拡大したアクティブシリンダーマネジメント(ACT)も装備されている。
2.0Lの直列4気筒ターボディーゼルエンジンは2連式SCR(尿素還元式)噴射を採用したツインドージング型で、高いNOx除去能力と優れたレスポンスを実現した最新世代だ。
燃料の直噴システムは2200バールという高圧噴射を採用。日本仕様は、このTDIエンジンと、フルタイム4WDシステム「4MOTION」と組み合わせた仕様となっている。
PHEVモデルのeHybridは、1.5L eTSIをベースとしながらPHEV向けの大容量バッテリーとモーター駆動システムを採用。システム総合出力150kW(204ps)/350Nmを発生。大容量のリチウムイオンバッテリー(総容量:25.7kWh、EV走行時最大使用容量19.7kWh)により、バッテリー電力だけで142kmのEV航続距離(WLTCモード)を実現している。このため、日常の市街地のドライブでは排出ガスを発生しないEVとして、ロングドライブではハイブリッド車として使用することができる。