どの会社でも仕事ができない人はどうしてもいる。自分自身がその立場に置かれた経験があるのでよく分かる。同じ会社、同じ部署でも、仕事内容が変わるだけでエースにもポンコツにもなるので、適材適所の問題は確実にある。
パワハラを恐れた上司が部下の積極育成を諦め、何度説明しても本人の自助努力で改善が見られない、仕事を頼んでもかえって業務量が増えてしまう場合は「戦力外扱い」になる。今どき、個室に閉じ込めるような真似をすればパワハラで訴えられる。そのため、重要な仕事は任せない、単純でスキルが成長しない仕事ばかりをさせられるというのが戦略的放置だ。
本人には何が問題だったかを知らされることはない。二度と改善も成長もチャンスがない。一度、戦力外扱いになるとその会社での本人のキャリアは終わりである。理由を教えてもらえず、フィードバックもないので自分自身で気づくことはかなり難しい。数年後、年齢相応のビジネススキルがなく、年だけ取った人材が残るだけだ。そんな状態ではいい転職もできない。
このようなホラー映画より恐ろしい労働市場での処方箋は「自分は仕事を通じて成長したいので、間違っている箇所があったらビシッと指摘と指導をお願いします。一日も早く戦力なれるように努力します」くらいに前向きな姿勢を上司に見せておくことで、相手に安心感を与えておきたいところだ。もはやそのくらいやらないと、受け身の姿勢では上司から仕事を教わることは期待できない世の中になっている。
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大きなミスをした時には、多少厳しく言われても、だめな仕事にはNGとハッキリフィードバックを貰った方がマシに思えるのは筆者だけではないはずだ。パワハラを禁止したことで一見、平和になったがその実、水面下で恐ろしい事が起きている。
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