シリアのアサド政権が崩壊しました。西側政府は反政府勢力に資金や軍事援助を提供してきました。これは慶賀すべきことなのでしょうか。
無論独裁よりも民主主義がいいことは否定しません。アサド政権を擁護するつもりもない。ですが独裁者を倒したらバラ色の民主主義が来るとは限りません。ことにアラブでは宗教の宗派や部族など対立や外国からの干渉もあって、内戦状態になる可能性は否定できません。
仮に平和裏に選挙が行われた結果「民主主義の手続きを踏んで」アフガニスタンのような原理主義的な国家となった場合、西側諸国は両手を上げて賛成するのしょうか。
イラク戦争でフセイン政権が倒され、アラブの春でリビアやエジプトがまともな民主国家になったでしょうか。腐敗と内戦と人権侵害が渦巻いたカオスとなりました。ですがイラクが大量破壊兵器があると嘘をついて戦争を始めた米英指導者を国際社会はプーチンにしたように責任を追求したでしょうか。またイラク戦争やアラブの春を煽った西側メディアは責任を取ったでしょうか?
さらに言えばセルビアを悪者にしたコソボ空襲も捏造とプロパガンダをもとに正当化されています。
またぞろ、シリアから大量の難民が発生して欧州に押しかけることも予想されます。
シリアのアサド政権倒した過激派組織の正体 「穏健」イメージを発信
HTSとはどのような組織なのか。
後に過激派組織「イスラム国」(IS)となるISIから支援を受けていたヌスラ戦線だが、13年には仲間割れし、16年にはアルカイダ傘下からも離脱することを表明。同年に北部の要衝アレッポを失った反体制派は政権軍に敗れて次々と支配地域を失い、北西部のイドリブ県一帯に押し込められた。複数の武装組織との衝突を経て、事実上の支配者となったのがHTSだった。
今後の最大の注目は、アルカイダやISと同根とも言える過激派組織を中心とする勢力が、支配地域でどのような統治を試みるかだ。