イスラエルは、ゴラン高原を管理下に置き、アサド政権崩壊後の混乱を利用してシリア国内への侵攻を強化しています。イスラエル軍は10日、シリア国内の戦略的目標を標的に過去2日間で約480回の空爆を実施したと発表しました。ダマスカス、ラタキア、ホムスなどの都市を含む広範な地域で軍事施設や武器庫、化学兵器関連施設を攻撃し、シリアの戦略兵器の大半を破壊したとしています。

イスラエルはシリア国内に点在するイラン革命防衛隊に関連する軍事拠点に対してもミサイル攻撃を実施しました。ここぞとばかりにイランの中東での影響力を削ぐつもりのようです。

また、イスラエル軍はゴラン高原の緩衝地帯を越え、シリア南部のいくつかの村を占領したとの報道もあります。これに対し、ネタニヤフ首相は「ゴラン高原は永遠にイスラエルの一部」と主張し、停戦協定の無効を示唆しています。イスラエルの行動に対し、エジプトやサウジアラビアなどのアラブ諸国は強く非難しており、国連も領土保全の侵害に反対の立場を表明しています。