結局、ネット上で騒動になった翌日、OpenAI社が問題に対処し「これは我々も意図していない不具合だった」と述べ、システムの修復を行いました。

現在ではChatGPTも「David Mayer」について正式に回答してくれる状態となっています。

ところが騒動はこれで終わりませんでした。

さらに詳しく調べてみると、David Mayer以外にもChatGPTが回答を拒絶する人名がいくつもあったのです。

「名前を言ってはいけないあの人」は他にもいた!

今のところ、ChatGPTにその名を尋ねるとエラーを起こす人名は5つ分かっています。

1つ目は「Brian Hood(ブライアン・フッド)」です。

有力な候補として、オーストラリアの市長が挙げられており、彼は以前、ChatGPTから誤って「収賄の罪で服役したことがある」と回答されたことがあり、フッド氏は名誉毀損だとしてOpenAI社を一時提訴するとの発言をしていました。

2つ目は「Jonathan Turley(ジョナサン・ターリー)」です。

アメリカの政治評論家に同名の人物がおり、こちらもChatGPTによって「学生に性的暴行を行った」との誤情報を出力された過去があります。

3つ目は「Jonathan Zittrain(ジョナサン・ジットレイン)」です。

ハーバード大学に同名の法学教授がいますが、こちらはChatGPTとの関連性が不明となっています。

4つ目は「David Faber(デヴィッド・フェイバー)」です。

ここでは同名のジャーナリストが候補として挙がっており、2023年にイーロン・マスク氏へのインタビューを行い、彼とOpenAI社を提訴するとの発言をしています。

5つ目は「Guido Scorza(グイド・スコルザ)」です。

イタリアデータ保護当局理事会のメンバーに同名の人物がおり、彼は「忘れられる権利(right to be forgotten)」として知られる、ChatGPTのトレーニングデータなどから個人データを削除するよう要求したことが分かっています。