雪道を走る際には、スタッドレスタイヤなどによる「滑り止め措置」が法的に義務づけられています。
しかし現実には、普段雪の降らないエリアに積雪があると、必ずといっていいほど「ノーマルタイヤを装着した車の立ち往生」が発生し、交通が混乱に陥っているのが実情です。
実際に、ノーマルタイヤで雪道を走ってしまうドライバーはどの程度いて、周囲にどんな影響を及ぼしているのでしょうか。今回はドライバーの方々に、「雪道でノーマルタイヤの車が起こしたトラブルの目撃談」について話を聞きました。
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ほら、言わんこっちゃない…
「ちゃんと対策している側」が割を食う現実
ほら、言わんこっちゃない…
普段は快適に走れるノーマルタイヤでも、雪が積もってしまえばほとんど自由がきかなくなってしまいます。フラフラと覚束ない運転は、自分だけでなく周囲の交通主体にも危険を及ぼす可能性があるでしょう。
「その冬はじめての雪が積もった朝、車で出勤中、前を走っていた車がどう見てもノーマルタイヤでした。発進するたびリアが横滑りして、お尻を振りながらどうにか立て直して進む、みたいな走り方をしていて。
危ないと思って距離を開けていたら、下りの右カーブの途中にあった赤信号で止まりきれず、左のガードレールに低速のまま突っ込んでいき……。通り過ぎざまチラッと見ると、ドライバーは若い男性で、魂が抜けたような顔になっていましたね」(60代男性)
ノーマルタイヤで雪道を走ると、発進や停止、旋回や登坂など多くの場面でスリップが生じ、ブレーキやハンドルの制御がきかなくなってしまいます。ノーマルタイヤのまま冬を越そうとするのであれば、雪の日には絶対に運転してはいけません。
「ちゃんと対策している側」が割を食う現実
ノーマルタイヤで雪道を走ると、事故や立ち往生のリスクはもちろん、「スタッドレスタイヤ装着車とのペースの違い」が道路に混乱をもたらしてしまうことがあります。
「東京の西側に住んでいて、車通勤なんですけど、雪が積もると立ち往生が大量発生して困ります。一応動いている車でも、ノーマルタイヤのままノロノロと長蛇の列を作っていたり。
こっちは雪の日に遅れないようスタッドレスを履いているのに、そういう車のせいでいつもより1時間は早く出ないといけません。なんでちゃんと備えている側が、思慮のない人たちの割を食わないといけないのか、いつも納得いかない気持ちです」(50代女性)
高いお金を支払ってスタッドレスタイヤを履いているドライバーからすると、未対策の車が原因で混乱に巻き込まれるのはたまったものではないでしょう。事故を起こすことがなくても、雪道をノーマルタイヤのまま走ること自体が迷惑行為になりうると考えられます。