世界の各地で考えもしなかったことが起きる中、日本だけは「関係ない」という見方は出来ません。少数与党ではモノが決められず、政治は停滞気味になるでしょう。そういう亀裂は必ず大きくなっていくもの。国民民主は見方を変えれば亀裂を広げる役目をしているのですが、誰もそうとは思っていないところが気になる点です。2025年の日本の政界の予想はまったくもって予知不能であります。政治の分断は社会の分断につながるので今後は要注意だと思っています。

どうする日産

私が日産関係者ならば「匙を投げる」ところにあると思います。今回の危機は90年代後半の同社の抱えていた労使間のトラブルなどと違い、経営側の失策そのものです。にもかかわらずリストラで9000人も削減されるのはお門違いにもほどがあると思います。私はゼネコン入社3年目の頃、日産の関東地区の大半の工場の業務担当をしたことがあり、愛着があるのです。栃木工場の6.5キロに及ぶテストコースの工事の一部も手掛けたし、そこを走る車に同乗させてもらったときは興奮しました。そこで生まれたGTRは日産の看板車です。

日産HPより

会社経営とはその会社のプロダクトやサービスでどれだけ需要を喚起し、人々のハートを先取りできるかにかかっています。自動車産業は成熟産業だけにややもすればEV、HV、PHVなど新しい形態のクルマが出てきたときの先回りの対応に最大の経営的センスが求められるところです。ところが日産の場合、資本関係問題に長く振り回され、剛腕のリーダーが出なかったことで内部崩壊しており、このまま自滅するのではないかという懸念があるのです。

クルマは最後、売れてなんぼ。なのにラインアップに欲しいものが何もない、いやタダでもいらないような車ばかりでどうビジネスをするのでしょう?かつては面白い選択肢はあったのですが、6-7年前ぐらいから急に似たようなSUVばかりでセダンや高級車、ハードな走りができるような個性豊かな車種が出ず、全部中庸。おまけにHVがこの時代にないというのは致命的。来春出ると言われていますが、遅すぎ。中国の自動車メーカーは中国と東南アジアで必ず日産潰しをしてくるでしょう。北米市場はもっと厳しくメキシコ関税問題も重くのしかかります。もう社長交代では済まない気がします。