例えば、M-RIAMsは複数のサンプルを同時に分析できるため、広範なエリア(クリニック、患者病棟、会議室等)でのウイルス監視に適しています。
また、S-RIAMsは定置型で、特定の場所で継続的にリアルタイムモニタリングを行うため、人の介入無しに長時間の遠隔監視が可能となっています。
一方、R-RIAMsは移動型(ロボット)で、大規模な屋内空間でのウイルス検出に向いています。
実際にRIAMシステムを使った実験では、新型コロナウイルス患者病棟でのエアロゾルモニタリングが行われました。
コロナウイルスの症状別の各病棟で採取した、エアロゾル中のウイルス濃度を調べたケースでは、ウイルス検出率(ウイルスの存在割合)が患者の軽症から重症までの状態と非常によく一致していることが確認されています。
これは、エアロゾルによる新型コロナウイルスの監視が、感染リスクを評価する上で非常に有効であることを示しています。
全体として、このシステムは空気中のウイルスを高感度で連続的に検出する能力を持っており、特定の場所でのウイルスリスクを正確に評価することが確認されました。
RIAMシステムは空気感染の救世主となるか
空気中に浮遊するウイルスは、人々の健康にとって大きな脅威となります。
特に、新型コロナウイルスやその他の呼吸器ウイルスが原因の感染症は、感染が広がると大きな問題になります。
このようなウイルスをモニタリングすることは重要ですが、今までは、迅速かつ正確に検出できる装置が不足していたため、空気中のウイルスを監視することが難しかったのです。
今回開発されたRIAMシステムは、以前のものに比べて3つの重要な改良が施されています。
具体的には、空気中のウイルスを効率よく集める装置、ウイルスを検出するための化学的な仕組み、そしてマイクロサイズのカートリッジの設計が改善されました。