飛び出した電子が高速で原子にぶつかり新たな電子を押し出すことでどんどん電子が増えていきます。これが放射状にどんどん広がっていくので、木の根のようなパターンになるのです。
最後にバリバリと小さな雷が飛んでいますが、これは主放電後、アクリル内に残された電荷による二次的な放電現象だと考えられます。
残留電荷によって微小な領域に電界が形成され、これが十分に強くなると小規模な放電が発生します。これが「細い雷のような小さな電気の光」として観察されているのです。
この電界は徐々に弱まっていくので、しばらく経つと消えてしまいます。
一度現象の名前を知ってしまえば、動画でも同じような実験の様子を簡単に見つけ出して、より詳細に見ることができるでしょう。
こうした放電パターンの形成過程の観察は、絶縁材料の性能や劣化メカニズムを研究したり、雷などの自然現象を理解するのに役立ちます。
ただこれは高電圧を利用した、非常に危険な実験であるということはよく覚えておきましょう。
海外ではこのリヒテンベルク図形を、木材に高電圧を掛けることで描く方法が一部で流行っていしまい問題になっているようです。
via GIFER
これは「フラクタル木材燃焼(fractal wood burning)」という呼び名で、電子レンジを利用したやり方が動画解説されており、安易に真似た人が指を吹き飛ばしたり、死亡者もでていると報告されています。
上の画像でも、木に刻まれた模様が繋がった瞬間激しいスパークが飛んでいるのがわかります。これは高電圧がショートした状況なので非常に危険です。
動画映えもする見た目は美しい現象ですが、素人は見て楽しむだけに留めておくようにしましょう。
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参考文献
What are Lichtenberg figures, and how do we make them?
https://capturedlightning.com/frames/lichtenbergs.html