日本維新の会・国民民主党・有志の会(吉良州司・北神圭朗・福島伸享・緒方林太郎)が合意した「緊急事態条項」が、憲法審査会で示されています。

2023年3月30日(木)【「緊急事態条項の創設に関する3党派合意」について】|ニュース|活動情報|日本維新の会

その中身の概要は選挙の一体性が害されるほどの広範な地域において国政選挙の適正な実施が困難な事態が継続する場合の国会議員の任期延長や、国会の機能を維持する特別の必要がある場合の閉会禁止・解散禁止・憲法改正禁止の効果が発生することを定めている、というものです。

これは自民党が従前主張してきた緊急事態条項とは異なるものが含まれています。また、アメリカの国家緊急事態宣言*1により発動できる法令の一部として戒厳令が含まれているものとも異なります。

また、憲法審査会でも議論されているものです。

衆議院憲法審査会で議論された権力統制型の緊急事態条項とは?

衆議院憲法審査会

第211回国会 令和5年6月15日(木)第15回憲法審査会

第212回国会 令和5年11月9日 (木) 第2回憲法審査会

菅野氏や維新・国民民主・有志の会が提唱している「権力統制型の緊急事態条項」は、憲法審査会でも議論されています。

これは、いわゆる【国家緊急権】の発想とは異なります。

憲法学者の大家である芦部信喜の「国家緊急権」は、平時の統治機構をもっては対処できない非常事態において、国家の存立を維持するために、国家権力が、立憲的な憲法秩序を一時停止して非常措置を取る権限のことで、「権力拡張型」です。