エンジンオイルはクルマの血液ともいえる重要な役割を果たしています。エンジンの性能が高いほどにエンジンへの負荷も大きくなり、オイルの性能の高さも求められるようになります。 ひとくちに「性能」といっても、例えばHTHS粘度(エンジンオイルの高温高せん断性能)が高いものが適するのか、あるいは低いものが適するのか、洗浄性や油膜保持性もそのエンジンのパーティクルフィルター搭載の有無、ダウンサイジングエンジンなのかどうか…などエンジンそれぞれの個性で要求は異なります。品質が高いオイル、というのは当然として、そのエンジンが求める役割を果たすことができるオイルを使用することが、クルマのパフォーマンスを最大限にし、長持ちさせることになるのです。逆を言えば、どれだけ品質が高くても、あるいは頻繁にオイル交換をしていても、適合していないオイルはエンジントラブルのもとになってしまいます。欧州車のエンジンに適したオイルを選ぶために重要となるのがACEAという国際規格です。
ACEA(欧州自動車工業会)は、欧州を拠点とする主要自動車メーカー15社を代表する組織でヨーロッパのオイルが満たすべき基準を定めています。
EUが新しい排出ガス規制を導入したり、新しいエンジンオイル技術が生まれるたびに、新しいオイル規格を発行しています。
アルファベットは対応するエンジンの種類、数字はオイルの仕様によって分類されています。一般車両にはA/B(ガソリン、ディーゼル車両)またはC(GPF/DPF対応、低汚染物質の省エネタイプ)が相当します。数字が大きいほど高い性能が求められますが、互換性が必ずしもあるわけではありません。
つまり、上位グレードだからといって全ての性能要件を満たしているわけではないので注意が必要です。例えばC4が推奨されている場合にC5仕様のオイルが適合するとは限りません。