日本は防衛産業政策の大幅な転換を図りました。生産基盤の強化に取り組み、主要メーカーのみならず下請け企業まで支援を拡大する仕組みを整備しました。
防衛費が停滞していた時期には、多くの企業が防衛産業から撤退し、国内の生産基盤は弱体化していましたが、新たな政策の下でその状況は改善されつつあります。2023年10月には「防衛生産基盤強化法」が施行され、この分野の強化が制度的に支えられることとなりました。
また、輸出促進の一環として「防衛装備移転円滑化基金」が設立され、企業が海外市場において戦略的に展開できる環境が整備されています。これにより、政府と企業が一体となって海外市場への進出を推進する体制は格段に整備されました。
共同開発メリットは絶大国外に市場が拡大されれば、コスト抑制や技術交流の促進といった絶大な効果が見込まれます。イギリスやイタリアとの次期戦闘機の共同開発プロジェクトもその一例と言えますが、豪州との共同開発が進めば対米一辺倒だった日本の武器調達において選択肢が広がることにもなります。
日本にとってオーストラリアはすでに準同盟国です。中国の海洋進出が進む中で、太平洋の北に位置する日本と南に位置するオーストラリアが協力することは、安全保障上大きな意義を有します。今後両国の間でシーレーン防衛の協力も進むでしょう。そのような安全保障環境の中で、わが国の自衛隊と豪州海軍の艦艇が共通基盤を持つことはオーストラリアにとっても大きな意味を持ちます。
オールジャパンで取りに行くべきオーストラリア政府は来年春には共同開発先を選定します。自民党国防部会では「ディスカウントしてでも取りに行くべきだ」との声も上がっていました。ここは官民一体となって成果を出すことが肝要です。私自身も、政審の国防担当として政府を最大限サポートしていく所存です。
石破茂総理は総裁選でアジア版NATOを提唱しました。NATOには東方拡大構想もあります。日本とオーストラリアがこの分野で先陣を切ることができれば、それは歴史的な一歩となるでしょう。