コロナも3年経ってそろそろ総括ができるようになりまして

こちらは6/24に行われた「超過死亡はワクチンのせいなのか」というシンポジウム。わたしも出ております。超過死亡はワクチンのせいだという主張は「ワクチンの普及と共に超過死亡が増えたから」という理由が主体で、それにたいしてそんなわけはないというチームで討論をしたわけです。

自分はいい年だからワクチン打ってるけど、反ワクのデマを糾弾してる人の中には自分ではワクチンを打ってない人だってたくさんいる。人に打たせまいとか有名になりたいとかいうためのデマ撒きがいやで社会悪だと思ってるだけなの!

だからワクチンは若い世代にもメリットしかないとかいうデマにも嘘つけと反応する。これが正しい姿だと思う。ゼロか100かなんていうのは宗教だけです。物事には良い面と悪い面が必ずある。ワクチンにも感染対策にもある。だからワクチンには良いことしかないとか、感染対策にはよいことしかないはもちろん、ワクチンやマスクは悪いことしかないというのも宗教だと思います。

で、今回のがこれです
<講演者(五十音順;敬称略)>
鈴木貞夫 名古屋市立大学大学院教授
新田 剛 東京大学准教授
森内浩幸 長崎大学大学院教授
楊井人文 弁護士、ジャーナリスト
<コメンテーター>
永江一石 マーケッター
<司会>
家田 堯 Think Vaccine
というバランスの取れた専門家で構成されていました。バランスがとれたというのは狂的な反ワクチンもいなければ狂的なワクチン打て打て、閉じこもれ派もいないってことです。

非常に面白いので長いですがぜひ見て頂きたいのですが、あまりに長いので私が面白かった点などをまとめてみます。コメント欄はコロナ脳と反ワク、そしてMMTerの魑魅魍魎が入り交じって大変に面白い。ほとんど内容見ないでコメントしているのはまるでカルト宗教だ。

コロナ禍におけるデマや情報改竄。ワクチンを打つと大量死したという事実はない

反ワクチンの主張には多くの「都合の良い部分だけを使う」という点が明確ですが、厚労省もワクチンの健康被害の重大な部分であった若い男性の心筋炎について、実はずっと多かったというデータを後出しで挙げています。元の古いのと比べるとその差は歴然。とりあえず反ワクチンの主張のどこが医学統計的におかしいのかを鈴木貞夫 名古屋市立大学大学院教授が具体的に説明されました。基本的な事ですが、仮に因果関係があるならば、例外なく同じ条件で同じ事が起きないといけないわけです。たとえば塩素系の漂白剤・洗剤と酸性の洗剤を混ぜると必ず塩素ガスが発生します。発生するときもあればしないときもあるなんて事はありません。

反ワクチンの主張で最も代表的なものが「ワクチンの開始と共に死者が増加した」というものです。こちらが代表的。 確かにこういうグラフを見ると、ワクチンと死者増加は一致しているように見えます。では3年間ではどうだったか。 確かに3回目のワクチンと死者数の増加は一致しているように見えましたが、そのあとどんどんズレはじめ、全く連動しなくなりました。これは明らかに因果関係がないということになります。 外国のデータを持ってきて「ワクチンを打てば打つほど死者が出る」というのは反ワクのデマ元がよく使う手ですが、たとえばこちら コレを見ると確かにそのように見えます。しかし

実は↑のグラフはルーマニアの死者の推移からの赤い時期だけを抽出してグラフにしたものなのでした。東欧諸国のルーマニアやブルガリア、スロバキアなどがワクチンを打っておらず、そのせいで死者が少ないとしていますがたとえばルーマニアをはじめとする東欧諸国はワクチン接種が酷く遅れて接種率が低かったため、赤い帯の時期の前に物凄いコロナによる死者を出しました。どのくらい亡くなったかというと、人口あたりのコロナ死亡累計が世界2位で,2020-22年の前半は,大きな超過死亡の波が観察されました。しかし22年45週から一転,過少死亡に。

ブルガリアの超過死亡が赤い帯の時期にマイナスを示すのは、ワクチンが浸透せずに過去2年余の間にコロナの感染でリスクの高い人たちが死にまくったために日本で死者が増える頃には死ぬ人が激減したというだけに過ぎないことが明白である。(鈴木貞夫教授) つまり海外の国との同じ時期の比較はほとんど意味がないということになります。

また、ワクチンを打つとどっと人が死ぬのなら、世界でコロナの拡大の前にワクチンを浸透させた国々では同じような結果にならないといけないわけですが、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポールなどではワクチンを接種しても全く超過死亡は増えなかった。グラフの日付が揃っているので見て頂きたいが、超過死亡が激増したのはワクチン接種が始まって1年後のコロナのオミクロン株感染拡大以降です。(家田氏資料) よってワクチン接種によって超過死亡が激増したということに因果関係はないと言えます。

若者や子どもも重症になって死に至る怖い病気というのもデマだった

新型コロナの特徴として、「高齢者には怖い病気だったが若い世代にとってはたいした脅威ではなかった」という事があります。「コロナは風邪」というのも若い世代にとってはその通りであった。ただし高齢者にとっては風邪どころか季節性インフルエンザよりも遥かに脅威のある疾病だったわけです。

それなのに政府もマスコミも専門家も若者や子どもに非常に重い負担を押しつけて、膨大な自殺者を生み出し(コロナの2年で若者や子どもの超過自殺が8000人)小児科医の森内先生のパートが一番最初ですが、怒りを込めて怒濤のように論説されていました。ここからは森内先生の資料です。 このように子どもにとっては新型コロナは全く脅威ではなかった。もっと怖い病気はいくらでもあったのです。

また、「アメリカでは子どももたくさん死んでいるから日本の子どもにも必ずワクチンを」と叫んでいる米国在住の専門家もいましたが、それが事実でないと言うことは早いうちから分かっていました。 アメリカの子どもの致死率は日本の子どもの300倍!!!という現実です。肥満体が多いことや重篤な併発症である小児多系統炎症性症候群が、ヒスパニック系・アフリカ系の子どもに多い事に起因するとのこと。一緒くたにして危機を煽ったわけです。

また、子どもにはコロナよりもっと怖い病気はいくらでもあります。 子どもにとって新型コロナはインフルエンザの1/10のリスクでしかない コロナ禍のさなかにコロナの150倍の致死率のRSが大流行して小児科が医療崩壊したが、マスコミは全く報道しなかった。

また、高齢者を守るためとして子どもや若者にとってメリットにたいしてデメリットの大きすぎるワクチン接種をさせ、マスクを強制し、学校閉鎖をさせて行事を止めさせ、黙食として話すことさえ禁じた。ワクチンと同様、マスクや黙食にも副作用はあるがそれを無視した。実際には全て無駄だったとも言えるのは休校にした市町村と開校した市町村では新規感染者の割合は変わらず。高齢者のワクチン以外の感染対策は全く無意味で若い世代にとってはマイナスでしかなかったと言えるものです。

結果、多くの子どもが自殺した。これは感染対策を強制した人たちは責任を感じるべきものです。

仮にワクチンで20万人の85歳以上の高齢者が助かったとしても、それによって救われた余命はせいぜい100歳分でしかないが、若い世代が8000人超過自殺なら失われた余命は60万歳分に相当し、猛烈な出生数の減少でそもそも産まれなかった命まで考えるとコロナの感染対策で本当に人命が救われたと断言するのは無理があるのではないか。ちなみにワクチンで後遺症が抑えられるというのもデータではせいぜい有効性は10%くらいで誤差くらいのものです。

森内先生の話は本当に心を打ちました。