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子どもが言うことを聞かない。誰もねぎらってくれない。自分に余裕がなくても家族のため、子どものため。ママってどうしてこんなに毎日大変なのだろう――。

子育てのしんどい負のループからママを救う、ママのための分かりやすい「ご自愛」実践本を紹介します。

「周りを優先し過ぎるお疲れママのためのご自愛レッスン」(長谷静香 著)モラロジー道徳教育財団

自身の心の声を大切に

さて、あなたに質問です。 生まれてからずっと一番近くであなたを応援してくれている人は誰だと思いますか? ご両親、祖父母、ご先祖さまと、いろいろな答えがあると思います。 すべて間違いではありません。長谷さんは次のように言います。

「ここで私が答えとしてお伝えしたいのは、あなたが生まれてから一番近くで応援してくれている人、それは『あなた自身』ということ。 まずは自分自身を世界で一番大切な人として扱っていただきたいのです。 ご自愛ですね!」(長谷さん)

「“大切に扱う”とは、あなた自身があなたの心の声をしっかりと聴き、欲求を満たすこと。世界で一番大切なあなたの欲求を、あなた自身が叶えてあげましょう」(同)

また、長谷さんは、講座や講演で「勇気づけの子育て」を提案しています。そのベースはアドラー心理学にあります。アドラー心理学には、二つの思想があると言います。

「一つは『共同体感覚』。 もう一つは『勇気づけ』です。共同体感覚とは、共同体(家族・地域・学校・職場国など)の中での所属感・共感・信頼感・貢献感を総称したものです。人は一人では生きてはいけません。 誰もが共同体の中で生きているのです」(長谷さん)

「そして『勇気づけ』についてです。 『勇気づけ』とは『困難を乗り越える力を与えること』です。これは、相手をよい気持ちにして何かをさせようとする『ほめること』とは違います。勇気づけのかかわりをし、共同体感覚を育てていけたら、よりよい人間関係が築いていけるでしょう」(同)