5. 日用品・雑費
日用品や雑費として約1万円を見積もっているが、これはトイレットペーパーや洗剤、その他の生活必需品の費用を含んでいる。日々の生活の中で使い捨てるものが増えると、費用が想定以上にかかることもあるため、無駄遣いを避ける意識が必要だ。
6. 交際費・娯楽費
老後も友人との交際や趣味を楽しみたいが、これらの費用は大幅に削減できる場合もある。交際費や娯楽費を月5千円程度に設定すれば、予算内で楽しむことが可能だが、外食や旅行などにお金をかけたい場合は、他の項目での節約が必要となる。
7. 貯蓄・予備費
緊急時の予備費として1万円程度を積み立てることも重要だが、万が一の出費に備えるため、さらに多くの貯蓄があると安心だ。
これらを合計すると、月の支出は約17万円になる。つまり、年金17万円で生活することは可能だが、非常に限られた予算の中で生活を送ることになる。特に住居費や医療費が大きな出費の要因となりやすく、予期しない医療費の増加や物価の上昇があれば、生活の質を大きく左右する。
また、現実的な生活を送るためには、家賃をできるだけ抑えることが重要である。退職前に住宅ローンを完済しておくことや、場合によっては公営住宅に住むことも検討すべきだろう。マンションの場合でも、管理費や修繕費がかかるため、それらの費用も見込んでおく必要がある。
さらに、医療費や緊急時の予備費が大きく膨らむことも想定し、ある程度の貯蓄や準備を進めておくことが重要である。このように、老後の生活費として公的年金だけでは不十分と感じる人が多く、夫婦で老後を過ごすためには約2000万円の貯蓄が必要であるという「老後2000万円問題」も想起される。
一方で、老後の生活において重要なのは、無理なく働き続けることかもしれない。特に若い世代は、年金支給額が減少する可能性が高いため、健康を維持し、できる限り長く働ける環境を整えることが、老後の安心に繋がるといえるだろう。