2023年12月8日に発売された私の新作書籍『世界のニュースを日本人は何も知らない5』でも解説していますが、ここ最近の日本のコンテンツはハリウッドを凌ぐ元気があります。
『ゴジラ-1.0』が昨年末に公開され、日本だけではなくアメリカやヨーロッパでも大ヒットしています。海外で公開された実写の日本映画としては史上最高の成功であったと言えるでしょう。
私も年末に日本で、大変な期待を抱いて鑑賞させていただいたたわけですが、まず何が素晴らしかったかというと、原点に回帰してきちんと怖いゴジラが描かれていたこと、ゴジラの造形が素晴らしくファンが期待する怪獣らしいゴジラであったこと、大作へのリスペクトとオマージュが素晴らしくオリジナルのサウンドトラックが感涙するようなタイミングで使われていたこと、そして何よりも素晴らしかったのがこの映画が大変な低コストで制作されたということです。
驚くべきことに、ハリウッドに比べると大変少ない人数に予算でこの映画は制作されています。その経緯は以下の動画を見ていただければよくわかるのですが、制作会社である白組の調布のスタジオで生み出されています。
実にシンプルで小さなオフィスで、たった35人の日本人がVFXを生み出しているのです。アメリカの製作会社のように大きな食堂や豪華な受付があるわけではありません。
白組のスタジオでは製作スタッフが同じフロアに集まって一緒に顔を合わせて仕事をし、同時に監督・脚本・VFXを担当した山崎貴さんがスタッフと会話しながら成果物のチェックを行っているのです。
そしてスタジオの地下にはモーションコントロールカメラを使った撮影が可能なスペースや、ゴジラなどのモデルを制作する3Dプリンター、ミニチュアを置く場所などもあります。しかしアメリカやヨーロッパの製作会社に比べれば実にシンプルで小さなオフィスです。
しかし今回白組が生み出したゴジラのVFXはハリウッドのスーパーヒーロー作品にも全く劣らないどころか、ハリウッド凌ぐ大迫力です。これはここ最近の『マーベル』や『ディズニー』作品、『トランスフォーマー』シリーズなどを見てきた方ならよくお分かりになるのではないでしょうか。
ハリウッドは莫大な予算をかけてVFXを多用した作品を送り出していますが、最近の作品に関して感じるのはマンネリ化と似たような構図や効果ばかりです。