「鴨が葱を背負って来る」の由来
ここからは「鴨が葱を背負って来る」の由来を解説します。
「鴨が葱を背負って来る」の成り立ち
「鴨が葱を背負って来る」は「鴨」と「葱」の関係から成り立つ言葉です。
日本では古くから鴨を鍋料理にする際、葱を薬味として入れていました。
鴨と葱の相性は抜群で、両者が揃うことで美味しく食せたわけです。
この鴨が葱まで背負って来たら、すぐに鍋を始めることができます。
その好都合な状況を表現したのが「鴨が葱を背負って来る」となります。
なぜ「鴨」なの?
では、なぜ好都合なことが重なることを「鴨」に例えたのでしょうか?
そこには鴨が鳥類のなかでも罠に騙されやすく、捕まえやすい鳥だったことに関係しているとされています。
現に鴨は罠を張っておくだけですぐに捕まえられる動物でした。
そのため、日本では江戸時代などから鴨鍋がよく食べられていました。
ただ、鴨は独特な臭みがあったため、葱などの香味野菜が必須だったとされています。
つまり、美味しい鴨鍋には葱が欠かせない食材だったのです。
その鴨が葱まで背負って来てくれれば、後は鍋にするだけです。
転じて、そういった好都合な状況を「鴨が葱を背負って来る」と表現するようになったとされています。
「鴨」は悪事の被害者に例えられることもある
「鴨」は古くから騙されやすい鳥として知られていたのは前述の通りです。
そのため、現代でもしばしば悪事の被害者に例えられることがあります。
例えば、すぐ騙されるような人を「いい鴨」「鴨になる」などと表現します。
これは罠などにハマりやすい鴨に例えたところから来ているわけです。