ネコは驚くべき「しなやかさ」を持つ生き物です。
彼らは少々高いところから落下しても、空中で巧みに身を翻し、背中を打ち付けることなく見事に着地することできます。
ネコとの付き合いが長い人類は古くから、彼らのしなやかな反射神経の秘密を解明しようとしてきました。
その中で人類は半世紀以上も前に、とある奇妙な実験をしています。
それは「微小重力の中でネコを落下させるとどうなるのか?」というものです。
重力が弱い中でもネコはちゃんと身を翻して着地できるのか、それを調べようとしたのでした。
では実際の動画も含めて、その経緯を振り返ってみましょう。
目次
- 微小重力でネコを落下させるヘンな実験
- 宇宙飛行士は「ネコ着地」を訓練させられる?
微小重力でネコを落下させるヘンな実験
ネコの身体能力を解明しようとする取り組みは「クロノフォトグラフィー(連続写真)」の発明によって本格的にスタートしました。
連続写真は短時間に大量の写真を撮ることで、ネコが空中でどのような動きをしているのかをコマ送りで観察することができます。
パラパラ漫画みたいなものですね。
そして1894年に、フランスの科学者であるエティエンヌ=ジュール・マレー(1830〜1904)が、ネコを仰向けの姿勢から落下させ、体を反転させて着地するまでの様子を毎秒12フレームで撮影した一連の連続写真を公開しました。
実際の写真がこちら。
この連続写真はネコが空中でどのように身を翻し、4つ足で着地するのかについて理解を進めることになりました。
しかしこれで満足しないのが人間の好奇心です。
人類は1940年代〜50年代にかけて、パラボリック・フライト(放物線飛行)の効果を発見しました。
パラボリックフライト(放物線飛行)とは宇宙空間に行かずに微小重力環境を作り出す方法です。