近年、研究者たちはホモ属の新種を発見し、ホモ・ジュルエンシス(Homo juluensis)と命名した。この「大きな頭」を持つ人類について、一体何が明らかになっているのだろうか。
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中国で発見された大きな頭蓋骨
中国で発見された非常に大きな頭蓋骨に基づき、研究者たちは古代人類の新種を特定し、ホモ・ジュルエンシスと命名した。「ジュルエンシス」とは「大きな頭」を意味する。この新種は、約30万年前から5万年前の中期更新世における人類の多様性を理解する上で、古人類学者にどのような手がかりを与えてくれるのだろうか。
我々の祖先であるホモ・サピエンスは約30万年前に進化し、アフリカからヨーロッパやアジアへと急速に拡散した。古人類学者は何十年もの間、現生人類の到来以前、特に70万年前から30万年前の間に、複数種の初期人類が存在していた時期における人類の進化過程の解明に取り組んできた。
例えば、西ヨーロッパではホモ・ハイデルベルゲンシス、中国中部ではホモ・ロンギの化石が発見されているが、これらがそれぞれ独立した種であるかについては、研究者の間で意見が一致していない。これらの化石は「古代型ホモ・サピエンス」や「中期更新世ホモ」といった包括的な用語で分類されることもあり、非公式には「中期更新世の混沌」とも呼ばれている。
2023年にThe Innovation誌に掲載された中国の化石人類に関する論文の中で、ハワイ大学マノア校の人類学者クリストファー・ベイ氏、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の古人類学者呉秀傑氏らは、これらの包括的な用語を使い続けることで、我々の祖先の間の進化関係を完全に理解することが妨げられてきたと述べている。