船井電機の歴史

 1961年にトランジスタラジオなどの電機製品のメーカーとして設立された船井電機が大きく成長する契機となったのが、米ウォルマートとの取引開始だった。1990年代にウォルマートと提携し、全米の同社店舗で船井のテレビをはじめとするAV機器を販売。OEM(相手先ブランドによる生産)供給の拡大やオランダのフィリップスからの北米テレビ事業取得(2008年)などもあり、世界的に名を知られる存在となった。

 しかし、好調は続かなかった。2010年代に入ると、徹底したコスト低減による低価格を強みにシェアを拡大させていた船井電機は、海信集団(ハイセンス)やTCL集団など中国勢の台頭に押され業績が悪化。創業者である船井哲良・取締役相談役(当時)は大きく経営戦略を転換させ、北米向けの低価格のOEM供給から国内向けの4Kテレビなど高品質商品を自社ブランドで販売する方針にシフト。16年にはFUNAIブランドのテレビについてヤマダ電機(現ヤマダデンキ)と10年間の独占供給契約を締結するなどしたが、業績は好転せず。21年に秀和システムHDのTOB(株式公開買い付け)を受け入れて上場廃止に。23年に持ち株会社制に移行し、船井電機HD傘下に事業会社の船井電機を置く体制となった。

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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