企業の資金を何らかの目的で使い果たす典型的なパターン
金融業界関係者はいう。
「よくある話とまではいえませんが、秀和の社長が最終的に船井電機の経営権を事実上タダでファンドに譲っていることから考えると、LBOで事実上ノーリスクで一定規模のキャッシュを持つ企業を買収しておいて、その企業の資金を何らかの目的で使い、使い果たしたところで破産させたという典型的なパターンでしょう。資産や売上の規模はそれなりにあるものの、経営が揺らいでいる企業が狙われやすいです。船井電機はカモにされて、船井電機は長年にわたる経営でためたカネを抜き取られたというかたちです。
こうしたケースでは、一つひとつの手続きは違法性が問われないよう全て合法的なスキームで行われていることが多く、法的な責任を追及することは難しいでしょう。あとは、秀和、そして買収後に船井電機の社長を務めてきた上田氏に対して、元従業員や取引先などから背任などを理由として提訴する動きが出るのかどうか、ということでしょう」