連日、自民党の派閥の解消、裏金事件の追及が新聞、テレビ、ネットでにぎわっています。この1、2か月、同じようなニュース、コメントばかり溢れ、もう飽き飽きしている人が多いでしょう。私もそうです。
「派閥とカネの悪弊を今度こそ断ち切れ」(日経社説、1/26日)、「規正法の罰則強化も欠かせない」(読売社説、同)、「政治資金の流れをガラス張りにする制度改正の実現が不可欠だ」(朝日社説、1/27日)と、各紙は論陣を張っています。
政治資金の流れを透明化し、派閥主導の人事もなくしていくことは必要です。異論はないでしょう。「政治とカネ」の歪んだ関係を正常化することは、それそのものが目的ではない。正常化を前提にどのような政治をするかが最終的な目的のはずです。その議論がなかなか聞かれない。
裏金作りという不正なカネの流れの解明、事件の再発防止策、ザル法とされる政治資金規正法の改正、派閥解消と政策集団への衣替えなどは、いわば「小さな政治論」の部類です。新聞記事、テレビのワイドショー、ネット論壇を含め、もっぱら「小さな政治論」ばかりが溢れています。
「裏金の使途を含め、党が主体的に調査し、まとめて公表すべきである」(朝日)、「自民党は裏金作りが常態化した経緯や使途を調査し、国民にきちんと説明してもらいたい」(日経)。これらの主張は読まされても、虚しい気がしてきます。ザル法の作り方には長けた自民党に「正直に答えなさい」と要求しているようなものです。