当然のことながら、失業保険継続受給者数と失業率は関連性が高いため、失業保険継続受給者数が増え続ける限り、失業期間が長期化していることも相まって、失業率は上昇していく。

上記失業保険継続受給者数は12日を含む週のデータを使用。

コロナ後に回復基調を強めた労働参加率も今は勢いを失っており、コロナ前の63%台へ戻ることはなさそうだ。労働参加率が低下に転じた場合でも、それが景気後退を意味するものではないが、雇用が強くない一つの論拠と言える。

2024年10月の非農業部門雇用者数は1.2万人増と極めて低い数字であったため、2024年11月の雇用統計ではこの非農業部門雇用者数にも注目が集まるだろう。但し、こちらも足元の新規失業保険申請件数は悪くない数字が続いていることからも、11月時点でマイナスに転じることはないように思う。

とはいえ、2024年10月の非農業部門雇用者数の民間部門ではついに前月比が2020年12月以来、初めてマイナスに転じている(民間部門と政府部門の合計が非農業部門雇用者数となる)。政府部門が雇用のけん引役にはなれないことを考えると、決して状況は良くない。

非農業部門雇用者数及びその内訳である民間部門・政府部門の前月比を3カ月及び6カ月移動平均でみても、明らかに下降トレンドだ。

非農業部門雇用者数が前月比でマイナスに転じていくと景気後退が始まる。

背景が灰色の個所は米国の景気後退期

以下は非農業部門雇用者数前月比3ヶ月移動平均である。こちらはまだ幾分ゆとりがありそうだ。

背景が灰色の個所は米国の景気後退期

雇用の減速が続いているのは明らかだが、ここで踏ん張ることができるか、しばらくの間、予断を許さない状況が続くだろう。