日本一のハスカップ
本州ではあまり聞きなれない小果実ハスカップ。北海道・厚真町の農家の4分の1が栽培しており、2013年には栽培面積日本一になりました(現在は栽培面積も収量も日本一)。そんなハスカップを厚真町内で広め、6次産業化にも取り組んでいるのがハスカップファーム山口農園です。
<活動が評価された証>
「すっぱい、渋い」といわれていたハスカップを糖度の高い品種に育て、おいしい商品にするまでには、4代目の母親の努力と、それを受け継いできた5代目の善紀氏のチャレンジがありました。
<善紀さんが品種改良した「ゆうしげ」(手前)と「あつまみらい」>
厚真町は、2018年の胆振東部地震で多大な被害を受けたエリアです。農地の多くも被災しながらも日本一を継続している背景には、ハスカップファーム山口農園の功績が欠かせません。
家族みんなで美味しいハスカップづくりを行ってきた話は長くなるので、詳細は公式サイトを参考にしてください。
とてもユニークな方法で美味しい木を見つけて増やしてきたこと、善紀氏の町のハスカップ繁栄のために奔走し、ハスカップ愛があふれていることなどとてもワクワクしながら読めますよ。
ハスカップの収穫は6月末~7月中旬頃まで。手作業で一粒ずつ丁寧に収穫します。ここ数年、ハスカップはスーパーフードにも匹敵する栄養が含まれていると人気が高くなっています。
歯や骨を構成する『カルシウム』、ブルーベリーの約3倍含んでいる『鉄分』、風邪予防や美肌効果が期待できる『ビタミンC』、活性酸素を除去する『ビタミンE』、ポリフェノールの一種で目の疲れや視力向上の効果的な『アントシアニン』など。ただ、弱点は"実も皮もとても柔らかい"ことです。
山口農園では収穫したばかりの生のハスカップを冷凍したもののほか、ジャムやピューレ、などさまざまなハスカップ加工品を製造、販売しています。
また、ソフトクリームやクレープなどは町内の「HASKAP CAFÉ LABO」で食べることもできます。
<ハスカップスイーツを食べられたり、加工品を購入できるHASKAP CAFÉ LABO>
ハスカップファーム山口農園
- 住所:北海道勇払郡厚真町宇隆163-5
- TEL:0145-27-2137
- FAX:0145-27-3138
HASKAP CAFÉ LABO
- 住所:北海道勇払郡厚真町表町53-6
- TEL : 0145-29-8168 (※店舗が混んでいる場合は出られない場合あり)
- 営業時間 平日 11:00〜18:00(11月〜3月の冬期は11:00〜17:00 / 土日・祝 10:00〜17:00)
- 定休日:毎週木・金曜日(祝日の場合は営業、翌平日休み)
※イベント等により臨時休業する場合もあり、事前に連絡にご確認ください。
呼びかけに集まった今年の野菜ソムリエたち
私は、山口さんのハスカップ愛に惚れ込むとともに、美味しさや健康効果からハスカップが大好きになりました。しかし、前述のとおり、ハスカップは果肉と果皮がとても柔らかくてつぶれやすい。
<実は小さくて柔らかいから摘むのも大変です>
だから、ハスカップを知っているという人でも、口にしたものはジャムやソースが多く、その本来の爽やかな酸味を知っている人は少ない。山口さんのハスカップ愛を受けた私は、「野菜ソムリエならば、産地でしか味わえない生のハスカップの味を確かめて欲しい、自分で収穫してみてその柔らかさを知ってもらいたい」と思い、全国の野菜ソムリエにお声がけしたのが、2023年の春(1回目に実施)。
その時のSNSの投稿を見た人たちから「来年はぜひ参加したい」という数人の声をいただき、今年も実施したというわけです。
<今年参加した全国からの野菜ソムリエたち>
旅の企画は農園で収穫するだけではなく、地域特産物マイスター(ハスカップ)でもある善紀氏のここまでの苦労した話やこれからの夢、ハスカップの魅力などの20分ほどの講話と、ハスカップの美味しい見分け方や販売していない品種の試食などの体験してもらいました。
<この日は気温が高かったので、遮光をしたハウス内で善紀氏の話を聞きました>
<晴天の中、試食しながらの収穫(観光農園)>
ツアーは野菜ソムリエの交流も目的ですので、宿泊先では無理を言って、採り立てのハスカップでジャムを作ってお土産にしてもらったり、今年は宿の都合でできませんでしたが、私が準備した塩漬けしたハスカップで炊き込みご飯にして食べてもらったり(今年はハスカップの軍艦巻き)して楽しみました。
<無理を言って、厨房の片隅でハスカップジャムを作らせていただきました>
<ハスカップの軍艦巻き。ハスカップの酸味がご飯と合わさって酢飯のような感じになります>
<我が家で炊いたハスカップ炊き込みご飯。研いだ米に塩漬けしたハスカップを10粒ほど加えて炊いたもの>
<地元の人は塩漬けしたハスカップを常備し、梅干し代わりに使っています。おにぎりも美味>
スケジュールの関係で翌日帰る方もいましたが、今年はワイン好きも多かったので、今年の企画にはワインツーリズムも加えてみました。