心肺蘇生法は女性の胸に手を当てて心臓をマッサージしたり、口から人工呼吸を行う必要があるため、ためらう男性が多いのです。
またAEDのパッドは金属を避けて素肌に直接貼り付ける必要性から、場合によっては下衣服を脱がすことがあり、世の男性たちはより一層のためらいを感じることになります。
(※SNSなどでは過去に「女性にAEDを使用すると訴えられる」とする噂が拡散しましたが、弁護士たちが調べたところ、女性にAEDを使用して訴えられた例はなく、完全なデマであることが判明しています)
また訓練の場でも衣服や下着をつけたままでは、パッドが途中で服に貼り付いてしまったり、下着とコードが絡まるなどの問題が報告されています。
服を着たまま湿布を張ることを考えれば、その困難さがわかるでしょう。
さらに男性にとって、女性用下着のどこに金属が使われているかを理解するのは難しい問題となっています。
女性下着に対する知識や、服を脱がさずにパッドを取り付ける難易度、そして時間の制約を考慮すると、ためらいを捨て迅速に行動することが、結果的に命を救う確率を上げることにつながります。
仮にそれで訴えられたとしても、弁護士たちの中には無料で弁護を引き受けるという人も多くいます。
CPRを行ったりやAEDを使用しなくても罪に問われることはありませんが、乳房に対する遠慮で命を落としかねない女性にとっては、切実な問題となっています。
ですが新たな研究では実践時だけでなく、訓練時にも問題が潜んでいることが示されました。
ロイヤル・ウィメンズ病院の研究者たちが世界中で売られている成人の心肺蘇生訓練用に設計されたのマネキンを調べたところ、ほとんどのマネキン本体が平坦な胴体を持ち、最初から乳房が女性型として作られたものが1タイプのみであることが示されました。
実際、学校や講習会でCPRやAEDの訓練を受けてた人々の多くは、男性型マネキンを使っていたのではないでしょうか?