また、会議時間は流動的にしており、結論を出した時点で即終了。発言も結論を出すことに関係あることだけに絞る。さらに凝った資料を作らないようにルールを決め、「発案者の認識している課題とあるべき姿」を箇条書きで書くだけだ。そして長々とした挨拶や雑談は禁止。

このようにしているので、参加者も早く結論を出してさっさと終わらせようという意識になるので極めてスピーディーに進む。ものによっては5分で終わることもある。準備にも時間がかからない。

ムダな残業

残業は「家族仲が悪くて家に帰りたくない」「1円でも残業代を稼ぎたい」というケースを除けば好きな人は皆無だろう。自分の場合、残業は嫌で嫌で仕方がなかった。もちろん、自分のスキルが低くて残業する時は「自分の不甲斐なさが理由でムダな経費を発生させて申し訳ない」と思っていたが、問題は必要のないムダな残業の場合だ。

その筆頭が「できない人のお手伝い」である。この問題点は最初は「緊急時のフォロー」というものだった仕事が「定常業務」に組み入れられてしまうことである。そうなると仕事が早く、効率的にすればするほどドンドン仕事が増えていくことになる。しかも多くの場合、手伝ってもらっている側は「ありがたい」という気持ちが消えて「当たり前」という感覚になっていく。一度、このような印象を相手から感じると人間関係も悪くなる。

スキルアップして、最初は残業せずに終わっていた本人も本来の仕事を多く抱えるようになっているのに、相変わらずお手伝いの仕事は残り続ける、みたいな地獄の状況になってしまうのだ。

結論的に残業をする人は、よほど業務の影響することがない限りは手伝いは要らない。スキルや経験不足で残業が増えるなら、それは本人の問題なので基本的には本人が解決するべき問題なのだ。慢性的な残業が続くことで経営層からも「この部署だけ残業が多いのでは?」と指摘が入るだろう。

そうなればそもそも、根本的に業務量が多すぎたので改めて業務量を調整するとか、本人のこの部分にスキル不足があるから改善の必要があるなど、健全な是正勧告を受けることになる。それなのに他部署がこっそり手伝って解決してしまうと、本来あるべき膿出し作業が起こらない。