2億ドル投資による「AI Factory」設立と今後の展開
特筆すべきは、FPTがこのプロジェクトに2億米ドルを投資し、NVIDIA AI Enterpriseのソフトウェアとフレームワーク、NVIDIA H100 Tensor Core GPUsなど、最新技術を採用している点。これにより、生成AI、自動運転、グリーントランスフォーメーションなど、幅広い分野でのAIアプリケーション開発が可能となる。また、AI Factoryは、日本企業が重視するセキュリティ面でも万全の体制を整えており、安心して利用できる環境が提供されるとのことだ。
発表会では、日本を含むアジア太平洋地域が、GPUクラウド市場で最も成長を見せている地域であることも語られた。AI Factoryは、多くの日本企業が懸念するセキュリティ体制に関しても万全であることから、日本のさまざまなステークホルダーのデジタル改革促進、GPUクラウド市場の拡大に大きく寄与すると考えられる。
FPTは本パートナーシップを通じて、自動車、製造業、銀行、金融サービス、保険など主要産業向けにエンド・ツー・エンドの生成AIサービスを提供し、企業の生産性向上と自動化を支援していく方針のようだ。
また、教育機関においてもNVIDIAのプログラムを活用したAI人材の育成に力を入れている。5年以内に3万人以上の学生にリーチすることを目標とし、大学や高校の教育カリキュラム、研修プログラムにAI教育を組み込む計画。また、NVIDIA GeForce NOWと協力し、クラウドゲーミングの開発も計画している。
このような取り組みを通じて、FPTはNVIDIAとともにベトナムをAI国家へと変貌させるビジョンの実現を目指す。FPTの創業者兼取締役会長であるチュオン・ザー・ビン氏は、デジタルトランスフォーメーション、AI、クラウド、教育の分野でリーダーシップを発揮し続け、技術とトレーニングを通じてベトナムを世界のAIハブに成長させていくと表明している。