大谷翔平とドジャースの7億㌦(約1000億円)10年間の契約金の支払い条件が判明しました。以下、非常に長い期間の話をするので全て米ドル建てで表記します。

毎年大谷は200万㌦の報酬を契約期間10年間をもらい続ける。

契約完了時の2034年から毎年6800万㌦を10年間払う。つまり、その時点で大谷は50歳となる。 後払いの金利条項は無い。

大谷翔平選手 Wikipediaより

この条件は大谷と代理人が提案したものとされます。まず、経済学的に見てみましょう。

普通、後払いの場合、現在価値引き戻しという計算式を用いて再計算する必要があります。つまり、大谷の契約金が7億㌦だというのは現実問題としてはそうではなくなるのです。自分でも簡単に計算もできるのですが、今から新幹線にダッシュで乗るのでブルームバーグの数字を流用させて頂くと、10年後にもらい始める毎年6800万㌦は現在価値に引き戻すと4600万㌦にまで下がるとあります。ただ、私は実際にはもっと低いと思います。まず、引き戻し率を何%にするかで絵に描いた餅になること、引き戻しが2034年から2044年までの支払いを2024年ベースにするわけなのでたぶん、現在価値は1/3以下になると思います。

ビジネス的な引き戻し率は金融機関のレートより高めに設定するものです。なぜならリスクファクターがあるからです。例えばアメリカで今、最優遇の預金利息が年間5%なら引き戻しは8%ぐらいは欲しいところです。(将来金利が下がればこれまた見直す必要がありますが。)

こう見ると史上最高の契約金というのは裏返してみればドジャースにとっては全然安いお買い物だったということになるはずです。

ただ、大谷は一つのリスクを抱えることになります。途中でドジャースが倒産したらどうなるか、というリスクを彼は2044年まで抱えることになります。一般的には「そんなことあるわけない」と思うことでも学問とビジネスリスクという観点からは頭の片隅には置くべきでしょう。

もう一つの驚きは大谷が今後受け取る報酬が200万㌦だという点です。これは経済学で説明するというより自己啓発を学問として見た方が面白い気がします。

なぜ200万㌦(約3億円)なのか、私なりに思いつくところを箇条書きにします。