その意味で旧安倍派が小池百合子を担ぎ上げれば、或いは自民党内の取りまとめも可能かもしれないが、現在の自民党にその体力は無い。だから、小池百合子は都民ファーストからファーストの会を作り、独自候補として乙武氏を立てる戦略に出た。
ファーストの会が躍進することは地域政党の都民ファーストの会が躍進することになる。つまり、現在の大阪維新の会と日本維新の会の構図に似ている。というか、小池百合子氏は、維新の成功事例に学んだのではないだろうか?
保守本流を自認する日本保守党が、本当なら都民ファーストの会と組むべきなんだろうが、百田尚樹氏も有本香氏も飯山陽氏も、小池百合子のことが大嫌いなので、それは考えられない。
また、日本保守党は単独で6万人の党員を集めたため、資金的にも多少の余裕があり、初戦の戦場に東京15区補選を選んだのは、初陣としてはド派手なデビューになり、名前を売るには十分な舞台だろう。ご本人たちは当選する気マンマンだろうが、仮に落選しても日本保守党の名前を売るに十分な役割を果たすことになるだろう。
ただ、保守を自認する有権者の多くは既に日本保守党入りしているので、これ以上、日本保守党の党員が増えるとか、次の衆院選で日本保守党が躍進するとは考えにくい。
今の日本保守党に対する有権者の動きは、日本第一党支援の有権者の動きと極めて酷似している。つまり保守層は動くかもしれないが、肝腎要の最大政党である無党派層を動かすにまでは至っていない。無党派層が動かない限り自民党の盤石の体制は変わることは無いだろう。
無党派層が常に注視しているのは、極端から極端に走ることの危険性ではないだろうか?確かに最近の自民党には問題があるとしても、だからと言って、売り手市場の現在、特に新卒者に有利な労働市場であれば、他に文句は無いだろう。
ましてや賃金もバブル期並みのベアが続いている。企業は賃金を上げなければ雇用を確保できない状況になっている。この状況で、保守だの革新だのリベラルだのと言ったところで、若い人の心は動かない。むしろ、そうやって騒ぐ中高年を冷ややかな目で見るだろう。
仮にデフレ脱却だと騒いだところで、そういう日本にしたのはあなたたち世代でしょ?と言うのが本音の部分ではないだろうか?
日本保守党に入党し、リベラル政党に堕した自民党に喝を入れる!と息巻いているのは、実は高齢者であって、そこに若い人は魅力を感じない。私が日本保守党を見ていて感じるのは、中高年は心を動かすかもしれないが、これから日本の担う年齢層には、主張の中身の割にそれほどの魅力はない。
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以後、
・欧米の奴隷商人
続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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