世界の緊張が高まる中、米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)が核攻撃に対するぞっとするような生存ガイドを発表した。ウクライナ紛争と中東の対立が激化する状況下で、冷戦時代を思い起こさせる警告が発せられている―――。

核攻撃の脅威とFEMAの警告

 FEMAは、「核爆発は、爆風、熱、放射線によって甚大な被害と死傷者をもたらす。しかし、万が一の際に備えて、何をすべきかを知り準備しておくことで、家族の安全を守ることができる」と警告している。

 核の脅威は、小型の装置から巨大なミサイルまで多岐にわたり、攻撃の予測は困難だ。爆発による即時の閃光盲や、数キロ離れた建物をも破壊する爆風だけでなく、細胞に損傷を与える放射線、広範囲の火傷や物的損害を引き起こす熱エネルギーなど、様々な危険が想定される。

 電磁パルス(EMP)も深刻な脅威であり、爆心地から遠く離れた場所でも電子機器を破壊する可能性がある。

 しかし、最も恐ろしいのは放射性降下物だ。これは土壌や瓦礫が空から降り注ぐもので、被爆者に深刻な健康被害をもたらす。最初の爆発とそれに続く放射性降下物は、数分から1日で消滅するかもしれないが、その影響は取り返しのつかないほど壊滅的なものになりうる。

 FEMAは、「放射性降下物は、爆発後の最初の数時間が最も危険であり、高レベルの放射線を放出する」と警告している。そして、「放射性降下物が地上に到達するまでには時間がかかり、直接的な爆風被害区域外では15分以上かかることが多い。これは、多量の放射線被曝を防ぐのに十分な時間だ」と付け加えている。15分という時間は、生死を分ける重要な時間と言えるかもしれない。