メルケル氏は「ゼレンスキー氏の批判は承諾できない。私はプーチン氏がソ連帝国の崩壊に大きな痛みを感じ、必ずソ連帝国の領土を回復するために軍事行動をとる危険性があると警告してきた。実際、ブカレスト会議の数カ月後、ロシア軍はグルジアに侵攻し、南オセチア紛争が発生した。私の警告が正しかったことが証明された」という。
ロシアのクリミア半島の併合(2014年)後もメルケル政権はロシアとの間の天然ガスのパイプライン建設(ノルドストリーム2)を継続したことへの批判に対しては、「ドイツの国民経済に私は責任を有していた。安価なガスをロシアから得ることは経済的に重要だからだ。私がもし当時、ノルドストリーム2の操業中止を主張したとしても議会や産業界は支持しなかっただろう」と説明し、「政治的にもガスパイプライン計画は意味がある。それを通じて、ロシアは西側と同じような経済的享受を受けることができるようになるからだ」と説明し、ロシアとの関与を一切遮断することは正しくないという考えを明らかにしている。
メルケル氏の16年間の首相としての歩みを客観的に評価するにはまだ時間がかかるだろう。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年11月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。