■14世紀前から「うだ」に関する記述が…?
「宇陀」という名前の由来について、宇陀市の担当者は「古くは記紀・万葉より『兎田野(宇陀野、宇陀の大野の意味)」や「菟田郡」などと確認でき、その他の古文書でも『宇多』『宇田』『菟田』や、元禄期以降には『宇陀』と表記されていました」と説明する。
なんと、『日本書紀』推古19年(611年)5月条には「兎田野(うたの)に薬猟(くすりがり)す」という1文が存在し、こちらは日本最初の薬猟に関する記述だという。
それから1400年もの時が流れた西暦2000年代。前述の合併の際、「新市名称候補選定小委員会」は公簿によって集まった応募総数751件、262種類の案のうち、「宇陀市」「東奈良市」「大和宇陀市」の3案に絞る。
その中で、最も多く寄せられた名称こそが「宇陀市」だったのだ。担当者は「前出のような歴史や伝統性があり、応募者からは『愛着があって馴染みやすい』という意見も多数寄せられました」と、振り返っている。
大量の「うだうだ」でネットユーザーに衝撃を与えた宇陀市だが、その名は地元の人々に古くから親しまれ続けてきた、由緒ある呼び名なのだ。