体内の音が聞こえる?無響室で体験する異世界

 無響室の中は、あまりにも静かであるため、自分の心臓の鼓動、肺に空気が入る音、体液が体内を流れる音さえ聞こえてくるという。想像するだけで少し恐ろしい気もする。

 ヘア氏は当初、「ジェットコースターの下で暮らしているような」9か月間を過ごしたことから、静寂への不安を抱いていた。しかし、驚くべきことに、彼は1時間以上も無響室にとどまった。精神的に過酷な状況にもかかわらず、耐え抜いたのは、静寂への強い憧れがあったからだろう。

 セッション後、サンダース氏がヘア氏の体調を確認すると、彼はふらつきを感じながらも立ち上がることができた。サンダース氏が「まだ飛行機の着陸音が聞こえるか」と尋ねると、ヘア氏は「今は聞こえない。今はできない。本当に面白い」と答え、着陸音の記憶が消去されたような感覚を語った。9か月の騒音に晒された後での完全な静寂は、感覚を麻痺させるほどの強烈な体験だったのかもしれない。

 こうして、ヘア氏は待ち望んでいた静寂を手に入れたのだ。しかし、この極限の静寂体験は、彼にどのような影響を与えたのだろうか。静寂は時に我々の想像を超える心理的試練となるのかもしれない。

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文=深森慎太郎

提供元・TOCANA

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