■進化論を教えた教師が有罪に

ダーウィンの『種の起源』とは、生物は不変のものではなく、突然変異や自然淘汰により長期間かけて次第に変化してきたとする進化論だ。発表した当時はキリスト教の“神がすべての生命を作り出した”とする創造論が広く信じられており、宗教界から激しい反発を受けた。

特にアメリカには進化論反対派が多かったようだ。進化論の禁止を法律で制定していたテネシー州では、1925年に進化論を高校で教えた教師が訴えられ、有罪判決が下されたケースもあったという。

「スコープス裁判」として知られるこの事件は、“モンキー裁判”とも呼ばれている。敬虔なキリスト教信者にとって、人間がサルから進化したという考え方は到底受け入れられないものだったのだろう。テネシー州で進化論の禁止に関する法律が廃止されたのは1967年のことだ。