チームは今回、このスコアを使って、ユーザーの政治的姿勢を5つのグループ(極左・左翼・中立・右翼・極右)に分類しました。
これと別にチームはAIの機械学習機能を使って、ユーザーによってシェアされた政治ニュースの内容に含まれる主張や用語を分析し、これも同じように5つのグループ(極左・左翼・中立・右翼・極右)のどの考えに一致するかを分類しています。
そして最後にチームは2017年から2020年の間にFacebook上でシェアされた3500万件以上の政治ニュース記事を対象に、それぞれのユーザーがどのような内容の記事をシェアしたのか、また記事リンクをクリックして中身を読んだのか、それともリンクを押さずにシェアしたのかなどを調べました。
その結果、研究者たちも驚いたことに、Facebook上でシェアされた3500万件以上のニュース記事のうち、実に75%はユーザーによってクリックされることなくシェアされていたことが判明したのです。
これはつまり、ユーザーの多くがニュース記事のタイトルだけを読み、肝心の中身には目を通すことなく、記事をシェアするか否かを判断していることを意味します。
さらにチームは、ユーザーの政治的姿勢と関連する興味深い法則を発見しました。
自分の政治信念と一致するタイトルほど、中身は読まない
チームは各ユーザーの政治的姿勢と彼らがシェアした政治ニュースの内容との関連性を調べたところ、興味深い傾向を見出しました。
それは政治ニュースの内容がそれぞれのユーザーの政治的姿勢に近ければ近いほど、クリックなしにシェアされていたのです。
特に極右・極左のような両極端なイデオロギーの場合ほど、中立な場合に比べて、その傾向が強くなっていました。
要するに、極右・極左のような極端で断固とした信念を持つ人々は、記事のタイトルを見て(表面的に)自分の意見と一致していると判断できれば、中身をちゃんと読むことなく、即座にシェアする可能性が高かったのです。