ローマの奥の路地裏だと言うのに、どのお店もライトアップしていて、お祭りかしら? と思うほど。グラスは、周りに比べるとシックな佇まいで、一度通り過ぎてしまいました。
グラスのお店の中に入って、予約時間と名前を告げると、テーブル席に案内されました。レストランの内装は、ナチュラルな感じで、初めて訪れた私も、リラックス出来る雰囲気です。
ひとつひとつのお皿の料理は小さくて、何皿も登場するスタイルです。前日まで滞在していた、アッシジのローカルレストランの郷土料理とは全くちがい、旨味や発酵を取り入れ、盛り付けの洗練さにも、ミシュラン一つ星らしい、ガストロノミーを感じました。
一皿目のトビコは、日本ではオレンジ色ですが、鮮やかな緑色のトビコがカンパチのお刺身に添えられて、ワサビのトビコと説明されました。これが赤いカンパチに映えて、ピリッとアクセントにもなってました。
ソースは、赤ビーツと味噌、レチェデ・ティーグレ。レチェデティーグレとは、直訳で虎のミルク。魚介のセビーチェで、魚介と玉ねぎをマリネした時に出る出汁汁です。セビーチェの本場、ペルーでは、栄養ドリンクのような位置付けだとか。これで、旅の疲れも吹き飛びました。
イカ墨のガルガネリという筒型のパスタは、イカの肝をソースに使って旨味満点。塩辛と同じ使い方で、親しみを持ちます。カタルーニャ料理で、イカの肝を使うのを教えてもらったことを思い出しました。捨てることなく、食べられるところは全て食べるのも、このシェフが評価されている理由だそうです。
鳩のパストラミと、モモ肉のローストは、シンプルに美味しかったです。