違法性ギャンブルの件は水原氏だけの問題であって大谷さんは第三者という立場で大丈夫だと思います。ただ、大谷さんはお金に甘すぎると思います。こんな事件が世間に広まれば大谷さんは何かあればお金を出してくれると目を付けられるのが関の山です。もちろん彼はまだ若いし、野球選手というプロの世界を深堀しているわけですからお金はお金の専門家を雇うべきでしょう。奥様が家計簿で管理できるレベルではないので通常はウェルスバンキングでの口座管理と金庫番の採用が当たり前だということです。金持ちと金庫番の関係はプロゴルファーとキャディのようなものなのです。
さて、水原氏はこれで全部失いました。ただ、失ったものが水原氏だけなら良いですが、お父様のレストラン経営にも深刻な影響が出るかもしれません。もちろん、大谷さんが立て替えて払ったものはすべて水原氏の生涯の借金になります。返せないでしょう。大谷さんは優しいので減免するというと思いますが、弁護士が徹底的にやる気がします。それはアメリカを舞台にした話なので少なくとも初めは日本的なお涙頂戴、〇〇に免じて許すという思想はない気がします。
ところで時を同じくして卓球で活躍した水谷隼氏が日経平均が最高値を更新した3月21日にXで含み損が「笑えない額になった もうおしまい」とつぶやいています。その損失額はマイナス551万円とのこと。ただ、彼の手持ち株式評価額が1億5千万円あるとのことでそれが本当なら損のうちには入らない額でしょう。このところ、株式市場も物色される銘柄もプライム市場からグロース株に広がり、一部銘柄が暴騰暴落を繰り返しており、火傷した個人投資家は結構いるのではないかと思います。
水原氏と水谷氏の共通点は負けを取り戻すためにさらに賭ける点です。これは負けが込む典型的なパタン。その心は「取り返さねば大変なことになる、だから止められない」であります。時々会社の金を窃盗して損失の穴埋めに使うという事件がありますが、人間追い込まれたら見境をなくすのは「性」だと思ってよいのでしょう。
株式投資では会社が倒産しない限り全損にはなりにくく、無限のリスクがあるとすればショートセラー(当該銘柄が下がると思い、売りから入る投資)かデリバティブ、多少性格は違いますが為替のストップロスでしょう。卓球の水谷氏が少し前のXで追証のお知らせが来たとありました。手持ち評価が1億5千万円で500万円ぐらいの損失なら追証にはならないと思いますが、一般投資家は手持ちが下がり、担保不足になれば即追証でこれはすぐに資金を入れないといけないのできつい仕打ちになります。
世の中には様々な依存症があります。酒、ギャンブル、麻薬は典型ですが、それ以外にもあらゆる分野であり得ると思います。私も酒や株式投資にはまりすぎたことはありますが、年齢と共に収まりました。若者に「我慢せよ」と言っても理解は出来ないかもしれませんが、人に迷惑をかけるという点は重々承知すべきでしょう。ましてや世界の大谷さんに嫌な思いをさせた点では日本の恥になりかねないレベルの問題だったと思います。強い精神力をもつ人材育成が必要なのでしょう。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年3月22日の記事より転載させていただきました。
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