著者は大学図書館の司書として、あらゆる専門分野の情報を集める方法や、引き出す方法を心得ています。大学教員の論文執筆を手伝った数は1000に迫ります。
さぞ高等な検索術かと思いきや、今まで本を読んだことがない方でも使えると言います。
「読書が苦手だった司書が教える 世界一かんたんな図書館の使い方」(つのだ由美こ著)秀和システム
表層ウェブと深層ウェブ著者は、インターネットの情報は「情報の海」だと言います。情報の海と本物の海はよく似ています。同じように浅瀬と深海があるのです。
「InstagramやYahoo!ニュースなど、いつもスマホやパソコンで見ている情報です。知っている方も多いと思いますが、Googleはクローラと呼ばれるロボットが、世界中のWebを巡回してページ情報を集めていきます。それをランキング順に並べ替えたものが検索結果です。とくに、上位ほどクリックされやすい傾向があります」(著者)
「1位と2位のクリック率の差は約2倍。ですから、自分の意思で情報を選んでいるつもりでも、一方では少し選ばされている感じがします。Google側もよかれと思って、私たちが必要な情報を見つけやすいようにランキングしているとは思いますが。そんな膨大な情報量の表層ウェブも、じつはアメリカのCNNによると、インターネットのたった1%なのです」(同)
情報の海の99%は海「深層ウェブ」です。本物の海のようにまったく見えません。深層ウェブであれば、検索しても結果に出てくることもありません。
「Googleで検索しても結果に出てこないWebサイトが多いのです。個別にログインが必要で特定の人しか見られません。『Googleで検索すれば何でもわかる』と信じられがちですが、本当はGoogleだけでは探せない情報のほうが圧倒的に多いのです。それを知っているか、知っていないかでは情報収集に大きな差が表れます」(著者)
「深層ウェブにあるのが、有益な情報を集めた信頼性の高いサイトだからです。図書館ではこのデータベースも使えるため、普通の検索では探せないような大事な情報を、ほかの人より早く手に入れることができます。深海は、知っている人しかたどり着けない特別な場所です」(同)