自民党は4日の党紀委員会で派閥の政治資金パーティー収入不記載事件に関係した安倍派(清和政策研究会)、二階派(志帥会)の議員ら計39人の処分を決定し発表した。
全体としては、過去の例とのバランスなどからして甘すぎず厳しすぎずだと思うが、ふたつバランス感覚からいってどうかと思うことがある。
ひとつは、派閥の指示でその通りの処理をしただけの若手の議員までが、処罰されたことである。戒告とか短期の役職停止はそれほど厳しくはないようにみえるが、地盤が固まっていない若い議員にとっては厳しいことである。
その一方、清和会の会長を務めその後も影の会長といわれるような力をふるって、また、キックバックの仕組みとも密接に関わっていたといわれる森喜朗元首相がなにも処分されなかったことは奇妙である。
それから、みんな忘れているが、小泉純一郎元首相もまた会長だったわけである。しかも、派閥の力で総裁選挙に勝って総裁になったわけでない森喜朗さんや安倍晋三さんと違って、総裁選挙を清和会の派閥候補として制して総理になった方である。
私はこの二人が、「責任をとるべきなのは私たちだ」といって、そろって離党する代わりに若い人たちの処分は少し軽めにと言うべきでなかったかと思うし、今からでも遅くないから身を引くべきだ。
小田原を豊臣秀吉が攻めたときも、最後に腹を切ったのはご隠居さんの北条氏政であったが、そういう潔さがご両人に欲しかったと思うし、岸田さんは二階さんを見習えと太りの元首相たちに言って欲しかった。