連邦最高裁がトランプ氏の出馬について問題なしとし、スーパーチューズディを経て、アメリカの大統領選の行方は見えてきたのかもしれません。トランプ氏の吠えるアメリカの復活です。
バイデン氏の弱いところはカマラ・ハリス氏を副大統領候補として据え置いたことであります。仮に私がどれだけバイデン氏を支持しているとしても氏の年齢的要素、あるいは現在の行動や発言などを見る限り、ほぼ体力の限界だろうとみています。ということはアメリカ大統領では過去、何度か起きた途中交代を視野に入れなくてはいけません。その場合、ハリス氏が大統領になるのかと思うと私はぞっとするのです。実力的に全然務まらないし、それ以前に国民全体の支持が全くなく、ほとんどお飾りにしかならないのが見え見えだからです。そんなリスキーなアメリカを私は想像したくないし、多くのアメリカ国民もそう思っているでしょう。
バイデン氏が自主的に次回の大統領選を辞退すれば別の候補者にとって代わることができる、とされ、一部ではそれを期待する声もありますが、現時点でトランプ氏を打ち負かせる対立候補は出てこないとみています。
一方、ヘイリー氏の頑張りはもしもトランプ氏に何らかの事情で大統領選から脱落するようなことがあった場合を考え、バックアップ的な意味合いもあったと思います。しかし、3月4日に最高裁で判断されたトランプ氏の出馬の権利は予想通り守られました。その内容はいかにも裁判所らしい考え方でした。トランプ氏が首謀したとされる暴動事件については一切触れず、あくまでも手続き上の問題にフォーカスし、州最高裁が出馬の是非を判断できる権限はないとし、その唯一の判断は連邦議会の議員が2/3以上賛成した場合のみであるというプロセスを示したものです。
よって連邦最高裁は州裁判所の判断を実質的に無効化し、当然ながら連邦裁判所においてもそれを判断しないという姿勢をとったわけです。ヘイリー氏はバーモント州で辛くも勝利を収めましたが、それはリベラル色が強い州という事情が背景にあった為でトランプ氏と「準決勝」を戦うにはあまりにも厳しく、今回のコールドゲームとなったのでしょう。