日本には現在800校程度の大学があります。(不思議とみる資料により大学の総数が違いますが。)少子化が叫ばれているのに大学数は着実に増えている、これがトレンドです。一方、発表された2023年の合計特殊出生率は1.20で最低を記録。推移をみても明白な下落トレンドが形成されています。

2023年に生まれた子供は74万人弱です。大学進学率はざっくり50%程度なので18年後に大学に入学する生徒は37万人程度と推測されます。大学の学部生の数は現在、263万人とされるので4で割ると66万人になります。18年前の2006年の出生者数が109万人だったので単純計算では出生者の60%も大学に行っていることになりますが、学部生には留年している人と留学生がいるのであらかた辻褄はあう計算になるはずです。

2006年の出生者数と2023年の出生者では32%も下落しているので当然ながら大学数も20年後には今より250校ほど少ない550校程度が今の水準が推移するなら妥当ということになります。

ところで大学の先生はどれぐらい稼いでいるかご存じでしょうか?いわゆる国立系有力大学の教授で1000-1100万円です。2000万円を超える報酬をもらう教授は全国で数名で、東大の教授でも最高水準は1800万円、京大は1600万円水準です。思ったより安いと感じる方が多いかと思います。

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ではもう少し。大学の教員構成はいびつなのです。頭でっかちで下が少ない、これが一般的な構図です。教授、准教授、講師、助教、助手と並べるとどこの大学もおおむね教授が一番多く、下に行くほど人数が減るのです。おまけに大学によっては教授や准教授は大学職員としてフルタイムの仕事をするので研究や授業以外に相当面倒な仕事が待ち構えています。例えば大学入試問題の作成、採点、教授会での不毛な議論、教授会人事…それらをこなしながら1000万円ちょっとの給与ではやってられないと嘆くでしょう。おまけに研究費が少ないので中国や韓国あたりから「三顧の礼」で迎えられて日本の頭脳流出が起きるというわけです。