プーチン大統領は17日、当選確実後、「大統領選挙に参加してくれた同胞に感謝する。投票所に来て投票したロシア国民全員は団結したチームだ」と述べた。そして選挙の勝利を「現在の道を選んだことが正しかったことを示している。ロシアは今、より強く、より効率的になれる。社会を統合し、誰もロシアを抑圧することはなくなるだろう」と強調し、勝利宣言をしている。
ロシア大統領選には国際選挙監視団は派遣されていないから大統領選に不正があったか否かは不明。ナワリヌイ氏の腹心レオニード・ヴォルコフ氏はテレグラムを通じて、「選挙管理委員会が発表した数字は架空だ」と批判。ナワリヌイ氏の支持者らは17日正午、各地の投票所に集結する事実上のデモを呼び掛け、一部で行列ができた。大統領選挙から除外された野党政治家のボリス・ナデジディン氏も平和的な抗議活動に参加した。この抗議活動でロシア全土で少なくとも74人が一時的に拘留されたという。公民権ポータルサイトOVD-Infoが17日午後に報じた。
ナワリヌイ氏の妻ユリア・ナワリナヤ氏も17日午後、ベルリンのロシア大使館前の列に加わり、投票した。ナワリナヤ氏は「投票用紙にナワリヌイの名前を書いた」と述べている。外電は、欧州各地でロシア大使館前にはプーチン氏の独裁に抗議する人々の長い列ができた、と報じた。
プーチン大統領(71)は1999年以来、大統領と首相を交互に務めており、新たな6年の任期を満了すれば、独裁者ヨシフ・スターリンの29年間の最長任期期間(1924年~53年)を超える。憲法改正のおかげで、プーチン大統領は2030年にさらに6年間大統領を務めることができる。最長の場合、2036年まで大統領職に留まることができる。
プーチン大統領は選挙での勝利を背景に、「自身の反西側・権威主義路線は国民の支持を得た」として、今後6年間の任期中にウクライナに対する侵略戦争を更に強化すると予想される。数十万人の予備兵が再び動員され、戦争や社会政策事業への高額な支出を賄うために増税が予定されているため、国民の経済、未来への不安はこれまで以上に深まることが考えられる。
プーチン氏の5選が決まった直後に“ポスト・プーチン”を考えることは本人には失礼かもしれないが、多くのロシア国民ばかりか、ウクライナ国民もプーチン時代が早く幕を閉じることを願っている。“ポスト・プーチン”がプーチン時代よりいいという保証はないが、プーチン氏の独裁政治は歴史上稀に見る非人道的な政治だ。世界はシリア内戦、そしてウクライナ戦争でプーチン氏の戦争犯罪を目撃しているからだ。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年3月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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