④ この点「地方創生」という課題は、「まち」づくりの焦点や優先順位を決め、「ひと」のうち何人のリーダーシップを発揮する人材がいて、その運動にどれだけの住民が参加するかによって、成否が分かれるから、達成度が見えやすい。
また「まち」づくりでも、既存の天然資源、まちが置かれた立地条件、そこに集積した企業や大学などの社会資源をいかに使って、どういう「しごと」を創出するかの知恵比べこそがカギになる。
これらの3点の組み合わせができれば、新しい動きとしての「地方創生」への第一歩となりうる。
「地方創生」は5年単位で継続していける政策⑤ 人は家族や職場とともに地域社会を離れては生きていけない。これは世代やジェンダーの違いを超えての真理であるから、居住地域がどうなるのか、そしてどうするのかの立場からの「地方創生」は5年単位で継続していける政策でもある。
「資本主義の終焉」や「その先」の時代でも、東京、政令指定都市、県庁所在都市、中小都市、地方町村は存在し続けようが、「発展」させるにしても「衰退」していくにしても、居住する住民(ひと)がその地域(まち)に何らかの取り組み(しごと)を仕掛けることが求められる。
地方創生は国と地方の未来の創造⑥ 国は大方針として地方の近未来をそれぞれの実情に配慮し、「まち、ひと、しごと」の有機的連関に総合的に取り組みながら、国と地方の未来を合せて創造することが、現代日本の国民の共通した願いだと思われる。
2. 初代地方創生担当大臣・石破茂氏との出会い
石破茂氏との1時間の意見交換2017年当時、経済学と社会学を融合させた地点で「地方創生」論を模索していた私たちは、現状認識と現状分析を主に行い、基本的には政策論には立入らないという限界を守っていた。そのため、初代の「地方創生」担当大臣石破氏に政策面でお尋ねしたいことがいくつかあった。