日本人の特性から見えてくるもの
日本人は昔から縁起を大切にする民族です。大安に結婚式を挙げたり、葬儀は友引を避けるなど、このような考え方が生活に密着しています。縁起といえば、ことわざも忘れてはいけない存在です。努力をせずに幸運にありつきたい人間の本音を表しているものがあります。
思いがけない幸運に巡り合う意味として、「棚からぼた餅」ということわざがあります。棚から牡丹餅が落ちてきたという意味で幸運を意味しますが、同じような意味のものに、「海老で鯛を釣る」「果報は寝て待て」などがあります。中国には守株待兎ということわざがあります。株を守ってウサギを待つという、牡丹餅がウサギに変わった意味になります。
農夫が狩猟もせずに休んでいたところ、ウサギが切り株にぶつかり努力をせずにウサギを仕留められたというものです。この話にはオチがあります。翌日も農夫はウサギがぶつかることを期待して何もせずに待っていました。1カ月が過ぎたころ、農夫はウサギを得ることができないどころか、自分の田畑も荒廃させてしまいました。
本来、やるべき仕事を放棄してはいけないという戒めのことわざです。
オチを正しく理解する「棚から牡丹餅」も、牡丹餅が落ちてくるのを待っていても何も落ちてきません。「海老で鯛を釣る」は、少しの投資で大きな利益を得ることですが簡単ではありません。
「果報は寝て待て」も、寝ていたら果報が来るのではなく、全てをやりきったらあとは寝て待ちなさいという意味です。ことわざにはちゃんと「オチ」があることを考えましょう。ことわざの考え方は私たちにとって、ヒントを与えているのです。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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