水が抜かれ、水位が徐々に下がっていく様子をご覧ください。早送りじゃないのに目に見えて船が沈んでいくのがわかります。毎秒5トンもの水が抜かれるのでこのようなスピードで水位を下げていくことができるのです。
中島閘門を抜け、富山湾に近づいてくると沿岸は徐々に工場が多くなってきます。富山湾に面する岩瀬地区はかつて北前船の寄港地として大いに栄えた場所ですが、現代においても富山一の港である富山港が置かれておりその重要性は失われていないのです。
富山湾は沿岸からすぐに1000メートルを超える深さになるためさまざまな魚介類が取れます。ただここもさきの能登半島地震で海中の岩盤が崩れて特産の白エビなどの生息地が壊滅し漁獲高が激減しています。陸地にも海中にも大きな被害をもたらした自信を本当に恨めしく思います。
運河の幅がだいぶ広くなってきて、船に乗っていても波を感じるようになりました。大きな貨物船が停泊しており、その向こうには富山港展望台が見えます。展望台の眼下には岩瀬の街並みが、そして天気が良ければ南の方に雪をかぶった立山連峰を望むことができます。わたしはまだ登ったことがありませんが、ぜひ立山連峰がきれいに見える日に登りたいものです。
波の高い富山湾から今度は岩瀬運河と呼ばれる漁業用の運河に入ります。岩瀬の町の中を船はゆったりとすすみます。新しい住宅が並ぶ奥に古い岩瀬の街並みが広がります。
1時間の遊覧を終えて船は無事、東岩瀬港に到着しました。大勢の乗客が船を降り、岩瀬の古い街並みの観光に向かいます。
岩瀬運河は今も漁船が出入りしており、富岩運河とは異なりいまもその機能は失われていませんでした。のどかな漁村の風景が今日も見ることができます。
ここから北前船で栄えた岩瀬の古い街並みはすぐ。