2020年以降はあまりに簡単な相場が続いているだけで、投資は簡単ではない。優秀な金融トレーダーやベテラン投資家は別として、ごく一般的なリスク耐性しかないサラリーマンが円高と株の下落を食らうと損切りなどできるわけもなく、長期間…下手をすると10年ほど資金ロックされれる。個別株なんてした日には目も当てられない。

株は上昇より圧倒的に下落時に足が早いので暴落を想定せず、環境変化の認識を怠るとコツコツドカンになってしまうのだ。

筆者は投資を否定したいわけではない。むしろ今後の日本では必須スキルになるだろう。ここでいいたいのは「リスク耐性もトレードスキルもないのに、ビジネスより簡単だと舐めてかかって勝てるほど金融投資はイージーではない」ということだ。

ビジネスの方が遥かに確実で早い

一方で独立して自分でビジネスをする世界の方が遥かに確実性が高く、それでいて成果が出るのも早い。

米国株投資の長期的な平均リターンはせいぜい、10%前後といったところだが(近年の2桁リターンも暴落が来ると本来の期待値に収束する)、ビジネスはうまくいけば1年で「何倍」にもなる。サラリーマンの年収を独立して月収で稼ぐ人はまったくめずらしくない。

しかも利益確定して一旦収益を確保する投資と違って、ビジネスの場合は高い収益性は永続する。さらにビジネスは「手も足も出せず、何年も待つ」ということはなく、基本的に努力すれば努力するほど、行動すれば行動するほどドンドンリターンを得られる。

そして資産運用は元本を動かして稼ぐゲームであるため、元手がないと大して稼げない。故にサラリーマンが資産形成をするなら「ビジネス→投資」という順番がセオリーであり、あまり元本がないのにいきなり投資からスタートしても人生を変えるほどの資産に化けるのは数十年待つことになる。

資産運用をする目的は、すぐには使わない余剰資金を運用して増やすことで人生を豊かにすることのはずだ。それなのに、投資にのめり込みすぎると、ときに爪の先に火を灯す勢いで節約してその年齢でしかできない経験や機会を捨ててまで資産運用をすることになる。これは本末転倒に思える。人生の主役が自分ではなく、資産に変わってしまっているからだ。