組織体質が古くて男社会

 日々の業務や駐屯地での生活で、つらいと感じることは何か。

「業務については、それほど難しいことを求められたり、過度な重労働をやらされるわけではないので、そこまでキツイと感じたことはなかったですが、その一方で雑用的な業務も多かったので、やりがいという面では疑問を感じることもありました。また、規則に違反しない限りにおいて寮にゲーム機などを持ち込むことは可能ですが、4人部屋で先輩後輩の上下関係はそれなりに厳しかったりするので、仕事が終わってもプライベートがないからキツイと感じる人はいるようでした」

 自衛隊内におけるパワハラやセクハラを元自衛官が告発し、たびたび裁判にも発展しているが、そうした問題行為は常態化しているのか。

「自衛隊はまだまだ組織体質が古くて男社会なので、上官が強い口調や言葉で怒鳴ったり怒ったりといった、一般企業であればパワハラやイジメだとされる行為が普通に行われている部分はあります。ただ、自衛隊の業務というのは、一つのミスで多くの隊員の命が失われるリスクが常につきまとっており、そうした特殊性ゆえに、ミスに対して強く怒るといったことが、やむを得ない面があることも事実です。私自身も上官から強く怒られたことは多々ありましたが、イジメやパワハラを受けたと感じたことはなかったです」