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運転禁止命令解除

原子力規制委員会は27日午前の定例会合において、東京電力ホールディングスが新潟県に立地する柏崎刈羽原子力発電所に出していた運転禁止命令を解除すると決定した。その根拠は原子力規制委員会が「テロリズム対策の不備が改善したと判断した」ことにある。

21年4月に事実上の運転禁止命令が原子力規制委員会から出されてから2年8カ月が経過している。東京電力がすでに適合性審査に合格している柏崎刈羽6、7号機を再稼働するには地元の同意を取り付けなければならない。

事実上の運転禁止命令解除を発表する山中規制委員長

2つの原子力発電所と2人の首長

柏崎刈羽原子力発電所は柏崎・刈羽原子力発電所、つまり柏崎原子力発電所&刈羽原子力発電所なのである。7基の原子炉のうち、1から4号機が柏崎市にあり、残りの5、6、7号機が刈羽村に設置されている。

東京電力柏崎刈羽原子力発電所の敷地出所:東京電力ホールディングス「柏崎刈羽原子力発電所の現況について」、2016年6月21日

すなわち柏崎刈羽(KK)とひとまとめにされているが、二つの原子力発電所があると言った方が適切である。運営しているのが東京電力なので、東電側の都合で一括りにされているだけだ。

柏崎市と刈羽村は別々の行政区であるので、一括りの扱いは違和感もあろう。私は、柏崎市も刈羽村も度々訪れてきたが、その風土・文化・人には共通点もあれば異なる趣もかなりある。

一言でいえば、刈羽村は純朴であり、柏崎市はやや複雑である—遠慮なくいわせていただければいささか〝偏屈〟と言ってもいい側面がある。柏崎市の旧知は、「愛はいつでも憎悪に衣替えする」と言った。そのことを東電はもっと真摯に捉えたほうが良いという文脈だと私は思った。

地元の民意は首長が受け止める。

刈羽村の品田村長は一貫して原子力推進、日本のため再稼働は不可欠の信念の人である。

柏崎市の桜井市長は、若い頃から原発推進を信条とすることが知られた人物だった。しかし、市長に当選した頃から少し旗色が変わってきた・・・かなり慎重な発言が目立ち始め、やがて集中立地の危険性に言及したり、再稼働の条件として廃炉にする号機を明確にすることを論ったりしていた。

柏崎から出雲崎をへて刈羽に至る地域は江戸時代は幕府直轄の天領地として栄えた土地柄である。その歴史や自負は今も地域に根付いていると私は感じている。